837((T)

837(T)

以前プラスバイアス測定方法が理解できたときに測定した837の特性です。

800番台の送信管には有名でかつオーディオ用に優れた特性がある球が多いが、この837を使ったアンプはほとんど見かけない。

837は807と同じ形状で、ヒータが12.6V0.7A、ソケットがUT(7ピン)なので使われる機会が少ないのかもしれない。しかし、送信管なので中の造りはしっかりしている。

 

当方は以前ビーム管シングルアンプにしたが、マイナス側ドライブのみでは出力が取れないので、結局他の球に交換してしまった。

その時の残骸の球を測定したが、特性を見ているとプラスバイアス動作が可能なので三結ゼロバイアスドライブもできそうである。

 

 

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etracer による「6000」の測定(1)

etracer による「6000」の測定(1)

etracer」はキットを買って自作しました。自作品なので、製作上の不備があるかもしれませんのでご了解ください。

etracerについてはこちらをご覧ください。

 

etracerデジタル真空管カーブトレーサー

 

etracer真空管カーブトレーサー | ChiChiBlog

 

真空管カーブトレース兼テスター | etracerの概要を紹介 - YouTube

 

写真:小型送信管6000の測定

この投稿のきっかけとなったものです

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これまでいろいろな真空管の特性測定に役立ててきましたが、使っていて気になることがありました、

それはg1プラスバイアスの場合の測定です、最初はマイナス側のみに測定が主でしたが、プラス側も測定できることが分かり、いくつかの真空管について測定してみました。

測定は可能ですが、特性曲線が乱れます、それらしく描くことはありますが、特性曲線とは言えませでした。

この原因は、

真空管のグリッド電流によるもの

②測定球(供試球)の発振

③etracerそのものの性質

の三つが考えられますが、おそらく「①真空管のグリッド電流によるもの」ではないかと思って、それであれば、外部から防ぎようがなか?、と思っていました。

 

図:g1プラス側の代表的な測定例

ー6HS5(T)の正負グリッド電圧による特性ー

マイナス側は綺麗に取れているが、プラス側が乱れてこれでは正確な特性はわからない。

 

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この6HS7はTV高電圧制御用超ハイgm管ですから、発振しやすい球です。

 

先日、球の測定依頼があったH氏からの情報で、このetracerを日本に紹介し先駆者であるK氏がグリッドプラス側のデータがうまく撮れているとの連絡があり、早速H氏に連絡を取ってみました。

(H氏のことは本文トップにある関連リンクを参照ください)



 

 

 

 

 

AL60 /CV9 測定

AL60 /CV9 測定

 

AL60のメーカ発表の特性図が見当りませんので、etrecerで測定しました。

 

これを検討しますと

今回プッシュプルアンプでは最適負荷抵抗は8kΩであることが分かり、最大出力は30Wと計算できました。

また、負荷抵抗5kΩは、出来ないことはないが、かなり不適合であることが分かりました。

残念ながら、OPTは8kΩに変更します。

 

シングルでは動作例が掲載されています

 

①Esg=275V(Esg最大値)

 

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②Esg=250V(シングル動作例による)

 

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③Esg=175~275V(Esg変化)

 

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④三結(1):Ep=Esg 500V

 

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⑤三結(2):Ep=Esg max250V

 

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お役に立てれば幸いです
 

 

 

8B8(t)+(p)Esg=125V の測定

8B8(t)+(p)Esg=125V の測定

 

同じ名称の真空管で三結+五結パラレル接続の特性を測定しています。

これまでは6K6を中心にアンプ仕様を考えていましたが、6K6の球数が少なく探したところどうしても6本しか出てきません、

プッシュプルでは8本必要になるので方針をを変え、多数ある8B8か16A8にしようと8B8で測定しました。

測定には五極管接続側のEsgの条件を変えて測定して三結と合いそうなEsgを測定し、Esg=125Vが良さそう、と特性を取ってみました。

 

左図が(t)+(p)パラレルの測定、パラレルのためプレート損失、スクリーン損失とも2倍にしています。

パラレル接続のプレート電流は

(t)の(プレート電流+スクリーン電流)と

(p)のプレート電流

を合わせて

(t)+(p)を測定しています

注:(p)のスクリーン電流は含まれていません

 

 

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ご参考になれば幸いです。

 

807(t)A+(p)B Esg=300V 再測定

807(t)A+(p)B Esg=300V 再測定

 

真空管「807」は日本でも戦前から生産され、世界各国で多数生産されたと思われ、特性も良くそろっています。

今日でも安価に提供されているのでもっと見直されても良いのではないかと思います。

 

Yさんから頂いた回路図をよく検討してみるとアイドリング時のB電圧が500V程度に、フルパワー時には450V程度に低下すると思われます。

マニュアルによれば、807の三結時Esgは最大400Vまで許容されているが、450~500Vはオーバーかな?と思われます。が、昔から807は丈夫な球といわれているので音楽信号では少々のことはよいのでしよう。また管球全盛期のころ、真空管は消耗品と考えられ一定時間使用すれば交換するようになっていたのかもしれません。

ということで、いただいた回路図を検討し、再度真空管「807」のマニュアルを調べると、三結使用の場合Esg=400Vまで大丈夫のようなので、その10%増しのEsg=440Vまで再測定ました。

 

測定条件:

A球を三結(EpEsg=0~440V)

B球を五結(Ep=0~440V、Esg=300V一定)

Eg1=0~ー50V、5Vステップ

で再測定しました。

注:etracerのEp最大電流は250mAです。

807のマニュアルはこちらです

https://tubedata.jp/sheets/049/8/807.pdf

 

下の大きな特性図が807(t)+(p)パラレル仕様です

 

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測定風景

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807(t)+(p)Esg=200/250/300V 特性

807(t)+(p)Esg=200/250/300V 特性測定

 

五極管の三結(t)と五結(P)のパラレル動作特性を測定していますが、五極管Esgを変えると特性も変わるので最適な組み合わせを見つけるにはEsgを変化させて検討することも良い手段だと思われます。

先のデータがEsg=300Vのみでしたので、Esg=200/250/300Vとして測定しましたのでご参考にしてください。

なお807のEsg最大電圧は300Vです。

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8/22追加:Esg最大値について

①五極管接続の場合:300V

②三極管接続の場合:400V

となっています

詳しくはこちらを

https://tubedata.jp/sheets/049/8/807.pdf

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①Esg=200V

 

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Esg=250V

 

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③Esg=300V

 

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写真:測定の様子

 

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 お役に立てれば幸いです